介護費用シミュレーター
施設選び2026年3月2日

親の施設選び完全ガイド|特養・老健・有料の違いと費用比較

特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホームの違いを入居条件・費用・サービス内容から徹底比較。待機者対策も解説。

## 介護施設選びは「種類の理解」から始まる 親の介護が必要になったとき、在宅介護と施設介護のどちらを選ぶかは大きな決断です。厚生労働省の「介護サービス施設・事業所調査(2023年)」によると、介護施設の数は全国で約4万8,000カ所に上ります。施設の種類や特徴を理解し、親の状態や家族の状況に合った施設を選ぶことが重要です。 ## 主な介護施設の種類と特徴 ### 特別養護老人ホーム(特養) **運営**: 社会福祉法人、地方自治体 **入居条件**: 原則、要介護3以上(特例で要介護1〜2も可) **費用**: 月額8万〜15万円 特養は**公的な介護施設**であり、有料老人ホームと比べて費用が大幅に抑えられます。終身利用が可能で、看取り対応をしている施設も増えています。 **費用の内訳(多床室の場合)**: - 介護サービス費(1割負担): 約2万〜3万円 - 居住費: 約2.5万円(多床室)〜約6万円(ユニット型個室) - 食費: 約4.2万円 - 日常生活費: 約1万円 **注意点**: 特養の最大の課題は**待機者の多さ**です。全国の待機者数は約27万人(2022年度)に上り、都市部では入居まで2〜3年かかることも珍しくありません。 ### 介護老人保健施設(老健) **運営**: 医療法人等 **入居条件**: 要介護1以上 **費用**: 月額10万〜18万円 老健は**在宅復帰を目的とした中間施設**です。病院退院後のリハビリテーションに重点を置いており、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士によるリハビリが受けられます。 **特徴**: - 入所期間は原則3〜6ヶ月(在宅復帰を目指すため) - 医師が常勤しており、医療的なケアが充実 - 入居一時金が不要 - 特養の入居待ちの間の「つなぎ」としても利用される **費用の内訳**: - 介護サービス費(1割負担): 約2.5万〜3.5万円 - 居住費: 約5万〜7万円 - 食費: 約4.2万円 - その他: 約5,000円〜1万円 ### 有料老人ホーム **運営**: 民間企業 **入居条件**: 施設により異なる(自立〜要介護5) **費用**: 月額15万〜50万円以上 + 入居一時金0円〜数千万円 有料老人ホームは**介護付き・住宅型・健康型**の3タイプに分かれます。 **介護付き有料老人ホーム**: - 施設のスタッフが介護サービスを提供 - 24時間の介護体制 - 月額費用は比較的高いが、追加の介護サービス費用が発生しにくい **住宅型有料老人ホーム**: - 介護サービスは外部の事業者と個別に契約 - 介護度が低いうちは費用を抑えられるが、重度化すると費用が増加 - 必要なサービスを選択できる柔軟性がある **健康型有料老人ホーム**: - 自立した高齢者向け - 介護が必要になると退去が必要な場合が多い - 数は非常に少ない ### グループホーム **運営**: 社会福祉法人、民間企業等 **入居条件**: 要支援2以上の認知症の方、施設所在地の市区町村に住民票があること **費用**: 月額12万〜20万円 グループホームについては、別記事「認知症の親の介護費用はいくらかかる?」で詳しく解説していますので、そちらもご参照ください。 ## 施設種類別の費用比較一覧 | 施設種類 | 月額費用 | 入居一時金 | 入居条件 | 待機期間 | |---------|---------|-----------|---------|---------| | 特養 | 8〜15万円 | 不要 | 要介護3以上 | 数ヶ月〜数年 | | 老健 | 10〜18万円 | 不要 | 要介護1以上 | 比較的短い | | 介護付き有料 | 15〜50万円 | 0〜数千万円 | 施設による | ほぼなし | | 住宅型有料 | 10〜35万円 | 0〜数百万円 | 施設による | ほぼなし | | グループホーム | 12〜20万円 | 0〜数百万円 | 要支援2以上の認知症 | 数ヶ月 | ## 施設選びの7つのチェックポイント ### 1. 費用の総額を確認する 月額費用だけでなく、入居一時金、退去時の返還金、介護度が上がった場合の追加費用など、**長期的な総費用**で比較しましょう。入居一時金が高額でも月額費用が低い施設と、入居一時金0円で月額費用が高い施設では、入居期間によって総額が逆転することがあります。 ### 2. 立地とアクセス 家族が定期的に面会できる距離にあるかは重要なポイントです。面会頻度が減ると、入居者の精神状態にも影響します。公共交通機関でのアクセスも確認しましょう。 ### 3. 職員の体制と雰囲気 見学時には、職員の表情や入居者への接し方をよく観察しましょう。入居者3人に対して介護職員1人以上(3:1以上)の配置が法定基準ですが、手厚い施設では2.5:1や2:1の配置をしているところもあります。 ### 4. 医療体制 持病のある方は、施設の医療体制を必ず確認しましょう。看護師の配置時間、協力医療機関との連携体制、夜間の対応などが重要です。インスリン注射や胃ろう、たん吸引などの医療的ケアが必要な場合は、対応可能かどうかを事前に確認することが必須です。 ### 5. 食事の質 食事は入居者のQOL(生活の質)に直結します。見学時に試食ができる施設も多いので、ぜひ利用しましょう。嚥下困難な方への対応(きざみ食、ミキサー食等)や、糖尿病食などの療養食の提供体制も確認ポイントです。 ### 6. レクリエーション・活動 日中の活動プログラムが充実しているかを確認しましょう。体操、手工芸、音楽療法、園芸など、入居者が生きがいを持てる活動があるかどうかは大切です。 ### 7. 退去条件 どのような場合に退去を求められるかを**入居前に必ず確認**しましょう。認知症の進行、医療的ケアの必要性、長期入院などが退去理由になることがあります。 ## 特養の待機者対策 ### 複数の施設に申し込む 特養の入居は申し込み順ではなく、**緊急度の高い方が優先**されます。複数の施設に同時に申し込むことが可能なため、通える範囲内の施設に幅広く申し込みましょう。 ### 待機中の過ごし方 特養の入居待ちの間は、以下のサービスを活用して介護体制を維持しましょう。 - **老健への一時入所**: 特養待ちの「つなぎ」として利用 - **ショートステイ**: 定期的に利用して家族の負担を軽減 - **在宅介護サービスの充実**: デイサービス、訪問介護を組み合わせる ### 地方の施設も検討する 都市部の特養は待機者が多い一方、地方では比較的空きがある施設もあります。親の状態や家族の面会頻度を考慮した上で、周辺地域の施設も視野に入れましょう。 ## まとめ 施設選びは、費用・サービス・立地・医療体制など多くの要素を総合的に判断する必要があります。まずは親の要介護度と必要なケアを整理し、予算の見通しを立てることから始めましょう。 当サイトの**介護費用シミュレーター**を使えば、要介護度や地域に応じた施設・在宅それぞれの費用目安を比較できます。施設選びの第一歩としてぜひご活用ください。

介護費用シミュレーター 編集部

介護費用の兄弟負担に関する法律知識・実務情報を発信しています。

あなたの家庭の負担割合を計算してみませんか?

兄弟姉妹の年収・居住距離・介護貢献度を入力するだけで、家庭裁判所の基準に基づいた負担割合を無料で算出します。

無料シミュレーションを試す