介護費用シミュレーター
費用の基礎知識2026年3月15日

介護費用の内訳完全ガイド【施設・在宅別で徹底解説】

介護費用の内訳を施設介護・在宅介護別に徹底解説。特養、老健、有料老人ホーム、在宅介護それぞれの費用内訳、月額の目安、費用を抑えるためのポイントを紹介します。

介護費用の全体像を把握しよう

親の介護が始まったとき、多くの人が「こんなにお金がかかるのか」と驚きます。介護費用は介護の形態(施設か在宅か)、要介護度、利用するサービスによって大きく異なります。兄弟間で費用を公平に分担するためには、まず費用の全体像を正確に把握することが不可欠です。

本記事では、施設介護と在宅介護それぞれの費用内訳を詳しく解説し、費用を抑えるためのポイントも紹介します。

施設介護の費用内訳

特別養護老人ホーム(特養)の費用

特養は社会福祉法人が運営する公的施設で、比較的費用が低いのが特徴です。入居条件は原則として要介護3以上です。

月額費用の内訳は以下の通りです。介護サービス費(自己負担1〜3割)が約2〜3万円、居住費(個室の場合)が約2.5〜6万円、食費が約4〜4.5万円、日常生活費(消耗品、理髪代など)が約1〜2万円。合計すると月額約9〜15万円程度です。

ただし、低所得者には「特定入所者介護サービス費(補足給付)」により居住費と食費が軽減される制度があります。世帯の収入・預貯金に応じて4段階の負担限度額が設定されており、活用することで月額費用を大幅に抑えることが可能です。

介護老人保健施設(老健)の費用

老健はリハビリを中心とした施設で、在宅復帰を目指す方向けです。入所期間は原則3〜6ヶ月と定められています。

月額費用は特養と同程度で、介護サービス費が約2〜4万円、居住費が約2.5〜5万円、食費が約4〜4.5万円、日常生活費が約1万円。合計で月額約9〜14万円程度です。老健は医師が常駐しているため、別途の医療費がかからないケースも多いのが利点です。

介護付き有料老人ホームの費用

民間運営の有料老人ホームは、サービスの質が高い一方で費用も高額になります。入居一時金が0〜数百万円(施設による差が大きい)、月額費用は15〜35万円程度が一般的です。

月額費用の内訳は、介護サービス費が約2〜5万円、家賃相当額が約5〜15万円、管理費が約3〜5万円、食費が約5〜7万円、その他(水道光熱費、上乗せサービス費など)が約1〜3万円です。

有料老人ホームは施設間の価格差が非常に大きいため、複数の施設を比較検討することが重要です。入居一時金が高額な施設ほど月額費用が低い傾向にありますが、退去時の返還条件を必ず確認してください。

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の費用

グループホームは認知症の方が少人数(5〜9人)で共同生活する施設です。家庭的な雰囲気の中で介護を受けられるのが特徴です。

月額費用は12〜20万円程度で、介護サービス費が約2〜3万円、家賃が約4〜8万円、食材費が約3〜4万円、管理費・共益費が約2〜3万円、その他が約1〜2万円です。地域によって家賃の差が大きく、都市部では月額20万円を超えることもあります。

在宅介護の費用内訳

介護保険サービスの自己負担

在宅介護で利用する介護保険サービスの自己負担は、要介護度ごとに設定された支給限度額の範囲内であれば1〜3割負担です。要介護1の場合、支給限度額は月額約16.7万円で自己負担1割なら約1.7万円です。要介護5では支給限度額が月額約36.2万円、自己負担1割で約3.6万円になります。

主な在宅介護サービスとその費用は以下の通りです。訪問介護(ホームヘルプ)は1回あたり250〜400円程度(1割負担)。通所介護(デイサービス)は1回あたり650〜1,200円程度。訪問看護は1回あたり300〜550円程度。福祉用具レンタルは月500〜1,500円程度です。

介護保険外の費用

在宅介護では、介護保険でカバーされない費用も多く発生します。これらは全額自己負担となるため、見落としがちですが、総額に大きく影響します。

おむつ・介護用品費が月5,000〜2万円、住宅改修(手すり、段差解消など)の初期費用が20〜50万円(介護保険で上限20万円まで9割補助あり)、配食サービスが1食500〜800円(月1.5〜2.4万円)、交通費(通院の送迎など)が月5,000〜1.5万円です。

介護者(家族)の見えないコスト

在宅介護で最も見落とされがちなのが、介護を行う家族の「見えないコスト」です。介護離職による収入減(年間数百万円)、パートへの切り替えによる収入減、介護ストレスによる医療費、介護に費やす時間の機会損失などは、金銭的な費用には含まれないものの、実質的な負担として非常に大きいです。

兄弟間で費用を分担する際には、こうした見えないコストも考慮に入れるべきです。当サイトのシミュレーターでは「介護貢献度」という形でこれらの要素を反映した計算が可能です。

費用を抑えるためのポイント

高額介護サービス費の活用

1ヶ月の介護サービス自己負担額が一定の上限を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。上限額は所得に応じて段階的に設定されており、一般的な世帯で月44,400円が上限です。申請しないと払い戻されないため、必ず手続きを行いましょう。

高額医療・高額介護合算制度

年間の医療費と介護費の合計が一定額を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。医療費と介護費を合算できるため、個別の制度では上限に達しなくても、合算で対象になるケースがあります。

自治体独自の助成制度

多くの自治体が独自の介護費用助成制度を設けています。おむつ代の助成、配食サービスの補助、住宅改修の上乗せ補助など、自治体によってさまざまです。お住まいの市区町村の介護保険課に問い合わせて、利用可能な制度を確認しましょう。

医療費控除の活用

一定の介護サービス費用は医療費控除の対象となります。確定申告で医療費控除を申請することで、所得税・住民税が軽減されます。対象となるサービスは限られるため、税務署や税理士に確認してください。

まとめ:正確な費用把握が公平な分担の第一歩

介護費用の分担を兄弟間で話し合う前に、まずは費用の全体像を正確に把握することが重要です。本記事で紹介した内訳を参考に、ご自身の家庭の介護費用を整理してみてください。

費用の全体像が把握できたら、当サイトのシミュレーターで各兄弟の公平な負担割合を算出してみましょう。客観的なデータに基づいた話し合いが、円満な解決への第一歩です。

介護費用シミュレーター 編集部

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