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家裁の扶養料調停手続き解説

兄弟間で介護費用の話し合いがまとまらない場合に、家庭裁判所に扶養料調停を申し立てる手順・費用・期間を詳しく解説します。

扶養料調停とは

扶養料調停とは、扶養義務者間で扶養の方法や負担割合について合意が得られない場合に、家庭裁判所に解決を求める手続きです。調停では、裁判官1名と家事調停委員2名からなる調停委員会が間に入り、双方の事情を聴取しながら合意形成を支援します。

兄弟間の介護費用分担の場面では、介護を主に担当している兄弟が申立人となり、負担を拒否している兄弟を相手方として申し立てるケースが典型的です。調停は話し合いの手続きなので、裁判のように勝ち負けを決めるものではなく、双方が納得できる解決策を模索する場です。

申立ての方法と必要書類

扶養料調停の申立ては、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行います。必要な書類は以下のとおりです。

申立書(家庭裁判所に備え付けの書式または裁判所ウェブサイトからダウンロード可能)、申立人と相手方の戸籍謄本(全部事項証明書)、被扶養者(親)の戸籍謄本、収入に関する資料(源泉徴収票、確定申告書の写し等)、介護費用の明細(施設の利用料、医療費の領収書等)が必要です。

申立てにかかる費用は、収入印紙1,200円(相手方1人につき)と、連絡用の郵便切手代(裁判所によって異なるが概ね1,000〜2,000円程度)です。弁護士に依頼する場合は別途弁護士費用がかかりますが、調停は本人でも十分に対応可能な手続きです。

調停の流れと期間

調停の申立てから終了までの一般的な流れは以下のとおりです。

第一回期日は申立てから約1〜2か月後に設定されます。期日には原則として当事者全員が出席しますが、遠方に住んでいる場合は電話会議やウェブ会議の利用が認められることもあります。

調停期日では、調停委員が申立人と相手方を交互に呼び、それぞれの事情や意見を聴取します。各兄弟の収入・支出・家族構成・親との関係・介護への貢献度などを詳しく確認し、公平な負担割合の提案を行います。

調停は通常2〜4回の期日で終了することが多く、期間としては3〜6か月程度です。ただし、当事者が多い場合や争点が複雑な場合は、それ以上かかることもあります。

調停で合意に至った場合は「調停調書」が作成されます。この調書は確定判決と同じ効力があり、合意内容に従わない場合は強制執行が可能です。

調停不成立の場合:審判手続き

調停で合意に至らなかった場合は、自動的に審判手続きに移行します。審判では、裁判官が各当事者の事情を総合的に判断して、負担割合や金額を決定します。

審判で考慮される主な要素は、各扶養義務者の収入・資産・負債、扶養家族の有無と人数、被扶養者(親)との関係や同居状況、過去の介護への貢献度、親から受けた生前贈与の有無と金額などです。

審判の結果に不服がある場合は、告知を受けた日から2週間以内に即時抗告を申し立てることができます。抗告審は高等裁判所で行われます。

弁護士に依頼すべきかの判断基準

扶養料調停は比較的シンプルな手続きであるため、必ずしも弁護士に依頼する必要はありません。ただし、以下のような場合は弁護士への相談・依頼をお勧めします。

相手方が弁護士を立てている場合、兄弟間の関係が悪化しており直接のコミュニケーションが困難な場合、介護費用以外の問題(遺産分割、不動産の管理等)が絡んでいる場合、過去に親から多額の贈与や援助を受けている兄弟がいる場合です。

弁護士費用の目安は、着手金10〜30万円、報酬金10〜30万円程度ですが、法テラスの法律扶助制度を利用できる場合もあります。まずは各地域の弁護士会が実施している無料法律相談を利用されることをお勧めします。

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